国道54号粟原トンネル

三刀屋川 橋上「50高」

「高中」という道路標示に惹かれ始めた自分が自、初めてぶつかった疑問は、「制限速度50kmの際、道路標示は、『50高中』が正しいのか、『50高』が正しいのか?」でした。

自分は、「50高中」らしきものが残る廃道(山梨県、富士山麓の国道139号線)や、「50高中」と路面に記された当時の写真(愛知県の国道302号)を見たことがあり、「50高中」が存在することは確信していたものの、果たして「50高」は本当に存在していたのか?長い間、疑問でありました。

旅の途中。島根県内の現役の国道54号線で目撃したこの道路標示が、正解を教えてくれました。確かに「50高中」と「50高」の両方が、存在していたのです。

現役の幹線国道上で、通過する車に踏みしめられ踏みしめられて消耗してもなおも残る道路標示。50の数字の下には確実に「一文字だけ」が残っていました。長い間「50高」を探してきた自分は、この文字が「両側が失われた『高』の字」で姿であることは、一目で分かりました。

ヨッキれん氏曰く「橋の上の路面は、通常地上の路面より舗装し直されにくく、旧い舗装が残りやすい」のだそうです。なるほど、ちょうどここはトンネルを抜けた直後に三刀屋川を渡る「橋の上」であります。(ちなみにこの橋の隣には、旧橋の姿がありました。)

通過する直前の車のライトに照らされる路面。「高」の字を消耗させた無数の車のタイヤの圧力による路面の凹み、その圧力に耐えて残った道路標示の凸っぱりのコントラストが、「高」を克明に映し出しました。

40高中

旧道に残る最も美しいもののひとつ

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